眠るとCO2排出量は減るようだ。0時20分頃に入眠。7時30分に起きた日の推移。
2010/11/28付日本経済新聞 朝刊
筋肉痛にまつわるもっともらしい「定説」がいくつかある。どれほど正しいのだろうか。
まずは「筋肉痛は乳酸が原因」という説。実はかつて考えられていたメカニズムで、今はほぼ否定されている。運動によって筋肉内に乳酸はたまるが、これは疲労関連物質。文中の階段の実験だと、上りで感じる足の重さなどに関連すると考えられている。
年をとると筋肉痛が遅れてくるという説も科学的な裏付けはない。
ただ、痛みを定量的に測って比較するのは難しい。高齢になると体の中のさまざまな反応が鈍くなるのは確かで、炎症や筋肉修復が遅くなっても不思議ではない。「多くの人が感じる現象なので全くのうそではないのでは」(宮崎教授)という意見もある。
筋肉痛を伴わないトレーニングは効果がないという考え方も正しくない。筋肉痛後、細かった筋肉がより太く再生するので一つの目印にはなるが、筋肉痛が起きにくいトレーニングもある。
最近の研究で筋肉の細かな損傷や炎症反応を伴わない筋肉痛もあることが分かってきた。筋肉痛が一つだけのメカニズムで起きていない可能性がある。
2011/7/22付日本経済新聞 朝刊
長い間、疲労を起こす犯人は乳酸だといわれてきた。強度の高い運動をしてグリコーゲンを代謝すると乳酸が生成される。すると筋肉が酸性に傾き、筋の機能が落ちるというのだ。
しかし、最近では、疲労の原因は複数あり、それらが複合的に関係し合って疲労を引き起こしており、乳酸の単独犯行ではないといわれている。疲労要因は、リン酸の蓄積、筋からのカリウムの漏出、筋グリコーゲンの低下、活性酸素の蓄積、体温の上昇と多岐にわたる。
ちなみに、乳酸はグリコーゲンが燃えた結果の代謝産物という認識に変わってきている。運動によって再利用され、エネルギーを生み出す善玉にもなる。